自食作用(オートファジー)とは

オートファジーの「オート」は「自己」で、
ファジーは「食べる」(どちらもギリシャ語)。

 

 

ごくごく簡単に言うと、
細胞の中の余計なものを細胞自体が取り除くシステムです。

 

 

不思議なことに、
小さな掃除機のような器官が突然現れ、細胞の中を掃除します! 
そまさに突然、何もないところから掃除機が現れるんです。

 

 

古くなったり壊れたりした
たんぱく質やミトコンドリアといった細胞内の小器官は、これにより除去されます。

 

 

ミトコンドリアが傷つくと
通常の10倍もの活性酸素を放出するため、
既存の細胞の解毒システムでは対応できなくなりますが、
そのような致命的な欠陥を防ぐための安全装置としてオートファジーは機能しています。

 

 

さらに凄いのは、
オートファジーが集めた“ゴミ”からたんぱく質の材料を作り出すところです。

 

 

それは、
細胞内の不要なタンパク質をアミノ酸に分解し、
それを再利用するというリサイクル機能です。

 

 

つまり、
人体のタンパク質の材料の多くが食事ではなく、
自分自身の分解産物によって作られているということになります。

 

 

成人男性は
1日に約200〜300gほどのたんぱく質を合成しているのですが、
体内に取り入れるたんぱく質の量は60~80gしかありません。
その差は、オートファジーが補っています。

 

 

この働きが全て解明されると
病気の治療や老化防止に役立つということで注目されています。

 

 

また、
オートファジーは細胞質内に侵入した有害なウイルスや細菌を取り除く働きも持っています。

 

 

その反面、
このオートファジーのシステム障害が脳の神経細胞で起こると、
脳の老化が進み、アルツハイマー病の発症につながります。

 

 

近年、
細胞の浄化とタンパク質のリサイクルという
オートファジー機能の活性化に、「プチ断食」が有効であることが、
オートファジーの研究で科学的に証明されています。

 

 

飢餓状態になると、
オートファジー機能が顕著に活性化するそうです。

 

 

これは、
デトックスにもつながり健康にヤセる方法の1つにもなる
私たち人類が、遥か昔の飢餓時代から引き継いだ素晴らしい機能です。